2008年10月26日日曜日
伊勢商人と初鰹
江戸時代、初鰹は江戸町民にとり特別な意味を持つものでした。
初鰹は女房も質に入れても食らうものという川柳も出たほど、
初鰹を好んで食したそうです。
しかし、江戸に店を構える伊勢商家は、支配人から手代にいたるまで贅沢はご法度でしたから、初鰹が出ようとも一向に見向きもしません。
この説には、嶋田氏の著書「伊勢商人」で、もともと伊勢の人は紀州灘で取れるいきのいい鰹を食していたためわざわざ、小田原や房総からくる鰹には目もくれなかったと紹介されていますが、贅沢を禁じた当時の伊勢商人には鰹にお金をかけるというような事はしなかったのでしょう。
今でも日本橋には「鰹節」を扱う老舗があります。
1699年元禄12年創業のにんべん株式会社は、300年たった今でも鰹節を商っています。
嶋田氏の「伊勢商人」で多くの川柳が紹介されていますが、ここでは紹介できませんが、川柳にも出るほど、伊勢商人と鰹は縁の無いものだったそうです。
しかし、にんべんの鰹はいまだに健在です。機会があれば聞いてみたいものです。
以下HPから抜粋。
にんべんは、お陰様で今年(2008年)創業309年を迎えることができました。元禄12年(1699年)より鰹節一筋に、日本の味を伝え伝えることを使命と考え、安心・安全・健康をモットーに、味本位、品質第一に商品作りをして参りました。今後とも当社製品をご愛顧いただきますようお願い申し上げます。
http://www.ninben.co.jp/
伊勢商人は、相場ものには手を出さず木綿、乾物など国元から調達できる品物を江戸で商っていました。マーケットに流されず必要なものを市場に供給する力と才覚は近江の天秤棒商いと通じるところがあるようです。
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